LNERでヨークへ!イギリス国立鉄道博物館訪問記

 今回はイギリス旅行中に1日だけロンドンを離れ、ヨークに足を伸ばしたことについて書いていきます。ヨークといえば…なんと言ってもイギリス国立鉄道博物館がある場所です。日本の鉄道オタクとして、鉄道発祥の地であるイギリスの鉄道博物館に1回は行ってみようということで…あまり現地の知識はありませんがそこら辺は温かい目で見ていただけるとありがたいです。


■ロンドン市内からヨークへ…快適なLNER1等車!

 ヨークへはロンドン市内のターミナル駅であるキングス・クロス駅から出ているイースト・コースト本線(東海岸本線)に乗車します。イースト・コースト本線はエディンバラのウェーバリー駅までを結ぶ総距離632キロの一大幹線。イギリスの鉄道は“上下分離方式”を採用しており、設備管理を担当する会社と運行を担当する会社は異なっています。
 今回のイースト・コースト線で運行する会社は主にロンドン・ノース・イースタン鉄道(通称・LNER)であり、今回ヨークに行くにもLNERが運行している高速列車に乗車します。

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▲起点となるキングス・クロス駅。1852年開業という歴史あるターミナル駅…それにしてもロンドン市内はターミナル駅が方面別に分散していて分かりやすくもあり、不便のような…。東京でいえば東京駅みたいな多路線が集まる役割を持つ駅がないみたいな感じでしょうか。

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▲イギリスの鉄道に乗車する際の最初の関門として立ちはだかるのが発着番線。日本みたいに「〇〇:〇〇発は1番線から」などと決まっておらず、この大きな出発時刻表示版で確認します。今回は発車15分前くらいに発車番線が確定しました。

 今回は6:15発のエディンバラ行きに乗車。かなり朝早い出発ですが…目的としては1等車に乗るということ!実は早朝便など比較的利用客が少ない列車を利用する際はかなり安く利用できるのです。時間帯によって大きく運賃が異なるというのは航空機のような形態に近いでしょうか。

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▲インターシティ225というタイプの車両。1990年に運行を開始、設計最高速度は225キロというのが名前の由来らしいです。1等車であるL号車へ早速乗車していきます。


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▲1等の車内は革張りのシートが並ぶ落ち着いた内装。机もあって非常に豪華ですが、座席を転換することはできません。

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▲座席上には「Reserved to York」の文字。“あずさ・かいじ”のE353系座席上ランプとは違ってしっかりと文字まで表示されていますね。


 定刻6:15に発車。見渡すと1等車には4人くらいの利用客でした。

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▲キングス・クロス駅を出ると、アーセナルの本拠地であるエミレーツ・スタジアムが見えました。…サッカーわかないなぁ。

 あっという間に加速をし、時速200キロ近いスピードに。普通の近郊列車が走るような区間で200キロの高速列車が走るというのは日本と違って独特ですね。


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▲主要駅を出ると広がるのは田園風景。長閑ですねぇ…

 1等車最大の魅力としてはなんと言っても軽食でしょう。日本の定期列車では既に食堂車は全廃。観光列車などでは食事提供などがありますが、それらとは異なり普通のメニュー。逆に言えば、それが魅力なのかもしれません。

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▲客室乗務員が提供してくださった朝食。パンに目玉焼き、ソーセージ、ハッシュドポテト、マッシュルームというメニューです。高速列車の車内で食べる朝食は最高。
飲み物もコーヒーやオレンジジュースなどを注文。眠い目をこすりながら流れ行く車窓を眺めます。


 ちなみにLNERでは車両の置き換えが行われており、クラス800・クラス801「AZUMA」の導入が進んでいるようです。日立車両製作所製造、写真は撮れませんでしたが日本の車両らしいデザインです。現在のクラス225のような客車列車を体験できるのもいずれは貴重になってしまうんですかね…


 徐々に1等車の利用客も増えていき、8:32にヨークに到着。2時間半ほどの乗車でしたが、快適でした。
 ちなみに1つ心残りが…どこかの区間で平面交差があった記憶があるのですが、それがどこだったか記録し忘れました。

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▲ヨークも途中駅ではありますが、立派なアーチ状のホーム。「AZUMA」をアピールする垂れ幕もありました。ロンドン市内のターミナル駅とは異なり、大きなリニューアルもされていないため、歴史をより感じる駅構内でした。


■鉄道博物館開館まで…ヨーク市内を散策①

 着きましたが…まだ鉄道博物館開館までは時間が。ということで暇つぶし。
観光要素の1つとして、ヨーク市内には城壁が残っています。駅前からも見ることができるので、ヨーク駅は城壁のすぐ外に位置しているということになっています。

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▲イギリス国内に残る城壁としては最長のものだそうです。普通にその下を道路がくぐっており、少し不思議な感じ。

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▲城壁から降りた市街地の雰囲気。ロンドンのような大都市ではないので人通りも多いというわけでなく、ちょうどいい賑わい。落ち着いた街の雰囲気でいいですね。

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▲ウーズ川沿いを歩きながら鉄道博物館へ。船も行き交う、いかにも“ヨーロッパの河川!”という雰囲気でしょうか。



■いよいよ入館!イギリス国立鉄道博物館

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▲というわけでやってきましたイギリス国立鉄道博物館。もともとヨーク駅に隣接する蒸気機関車などの車庫であった敷地を開発したものです。1975年開業。2012年より鉄道博物館と、2016年より京都鉄道博物館と姉妹提携しているようです。鉄道博物館としては世界最大級の規模!

 入場料は無料。イギリスは寄付文化なので、入場者が寄付金を入れるかたちです。
 この日は平日でしたが、やはり結構多くの来館者の姿がありました。

 展示スペースは大きくわけて2つ。まずは「Station Hall」へ。


■Station Hall

 このエリアは駅に展示してあるかたちで車両が展示されています。客車や貨車などの展示が中心です。自分は全く車両が分かりませんでしたが、現地の方々には王室用車両などが人気でした。

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▲まるで駅のプラットホーム。

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▲カフェも併設しており、座りながら貴重な鉄道車両を鑑賞することができます。

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▲車内に入ることができる車両もいくつかありました。車両の写真はスペース的に撮りづらいですが、ここは「駅」としての雰囲気を体感するというのが一番の見どころかもしれません。日本の鉄道知識しかない自分にとって「こんな車両もあるんだなぁ…」とただただ新鮮でした。

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▲外の建物内にも若干ですが展示車両があります。こちらは割と近年まで走っていそうな近郊型車両?の雰囲気。


■0系の姿も…!Great Hall

 続いてはGreat Hall。ここはまさにイギリス国立鉄道博物館1番の見どころと言ってもいいかもしれません。大きなホールに様々な展示車両が並べられています。こちらはもう世界的に有名な車両が多く並べられ、自分でも知っている車両もいくつかありました。


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▲ユーロスター。英仏海峡トンネルを通る国際列車…国際列車ってどんな感じなのでしょうね、いつか乗ってみたいものです。

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▲そのユーロスターの隣には…JR西日本から譲渡された0系が!この博物館では唯一の日本の車両。果たして現地の方は分かるのかな…?とは思いましたが、「This is Japanese bullet train!」みたいな会話もあり、それなりに関心があるのかもしれません。

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▲0系は車内にも入ることができます。意外とイギリス国立鉄道博物館では車内に入ることができる展示車両は少なかったりします。現地ではあまり転換式の座席が少ないのか、座席を転換したら「何やってるんだ!?」みたいな顔をされました…
また、車内前方では新幹線に関するビデオが流されていました。

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▲その他、新幹線に関する展示も。駅弁だったり記念きっぷだったり…海外からは日本の鉄道をどう見られているのか気になってしまう部分もあります。


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▲高速列車以外の展示車両も回ってみます。蒸気機関車などの展示車両が多め。


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▲この青の奇抜な流線型蒸気機関車はClass A4蒸気機関車4468号車。1938年7月3日には蒸気機関車として世界最速の202.8キロを記録したそうで…もう実質的にこの記録は2度と破られることはないでしょうね。1930年~1940年あたりは世界的に流線型の造形が流行ったそう。


■その他


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▲部品・模型などの展示スペース。あまりにも膨大な数でした…


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▲デッキスペース。ヨーク駅を発着する列車を眺めることができます。

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▲改修作業も見ることができます。どれも貴重な歴史的な遺産だけに、慎重なメンテナンスを行っているのでしょう。

 最後はお土産屋へ。何を買うか迷いましたが、懐中時計とイギリスの鉄道の車籍表(?)みたいなのを購入。懐中時計は蒸気機関車が描かれたシンプルでカッコいいデザイン。車籍表は…未だに解読途中(というか一生かけても理解できる気がしない)。鉄道趣味にとって車籍表って大事ですが、やはりイギリスでも愛好家は資料として使用しているのでしょうか。それにしても多彩な商品が置いてありました。


 本当に広大な博物館でした。日本の博物館で見る「あぁ、この車両懐かしいね」みたいな感覚ではなく、「こんな車両があるのか…」という気持ちで見学するのは新鮮でした。およそ200年という歴史があるイギリスの地なので、もはや鉄道車両という域を超えて歴史を見ているみたい。逆に考えるとそのような地で日本の0系が展示されているのは嬉しいことだなと思います。
 1人の鉄道オタクとして行ってよかったなと思いました。


■列車の時間まで…ヨーク市内を散策②

 鉄道博物館を後にしましたが、しばらく時間があるので再び軽くヨーク市内を観光。


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▲ウーズ川沿いへ戻ってきました。

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▲しばらく歩くと見えてきたのは…ヨーク大聖堂。あまりにも大きいのでカメラに収めるのに苦労しましたが…。
北ヨーロッパ最大級のゴシップ様式の建物ということで、250年の歳月をかけて建てられたとか。また、この地には少なくともそれ以前に2度大聖堂が建てられているということで、非常に歴史のある地といえます。

 せっかくなので入ってみます。受付の人に「学生?」と質問されましたが、もちろん日本の某大学(世界的に見たらただの無名大学)の学生証しか持っていない…ですが、なぜか学生証を見せたらOKを貰い学生料金で入ることができました。感謝。

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▲大きなステンドグラス。工事していた部分もありましたが、圧倒される美しさです。


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▲その後は、ブラブラと街歩き。チョコレートも有名らしいですね。個人的に今回のイギリス旅行で1番気に入ったのはヨーク市内の雰囲気。ヨーロッパの田舎の方に行けばこのような光景が広がっているのでしょうか。



■ヨーク駅で軽く撮り鉄

 ヨーク駅へ戻ってきました。ですが、もう少し時間があるので駅撮り。世界的に見て日本は“撮り鉄”に寛容らしいですが、特にイギリスでも文句は言われなかったのでマナーを守っていればOKなのでしょうか。


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▲謎の貨物列車。


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▲インターシティ225。


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▲First TransPennine Expressのクラス185。


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▲CrossCountry Trainsのクラス220。


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▲Northern Railのクラス155。


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▲First TransPennine Expressのクラス68。めちゃめちゃ前面のデザインが強そう…


 …形式名は間違っている可能性大。参考程度にお願いします。
 同じホームから様々な会社の車両が出入りするので本当に把握が難しい…と思いますが、よくよく考えたら日本もそうですよね。


■LNERでロンドン市内へ


 いよいよヨークとお別れ。帰路も豪華に1等車でキングス・クロス駅へ帰ります。出発時刻表示版で確認したのち、発着番線へ。
ヨーク始発の16:03発、キングス・クロス行きに乗車。行きとは異なり乗車率が高かったです。

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▲奥にチラッと見える工場。どこかヨーロッパらしい風景を感じます。


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▲車窓を眺めながらのんびりとくつろぎます。たまに広がる街並みも美しい。


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▲お待ちかねの軽食。客室乗務員に色々と聞かれましたが、よく分からず「Yes」と答えたらこんなものが。調べてみたらパスマティライスというらしいです。タイ米みたいな感じのものにソースがかかっている感じですが、普通に美味しかったです。日本では見たこと無いなぁ…


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▲イギリス旅行で幾度も飲んだレモネード。車内でも頼んでしまいました。


 終点のキングス・クロスには18:25着。


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▲キングス・クロス駅には行きに乗車したインターシティ225より古いインターシティ125(画像左)の姿が。



 以上、初めてとなる海外の本格的な乗り鉄旅行でした。今後、海外に行く機会はあるか分かりませんが、このヨークへ行ったことは一生忘れることのできない貴重な経験となりました。もちろん日本の鉄道に慣れてしまっている身分だと、不便だなぁ…(特に発車番線の未確定は結構初見だとヒヤヒヤする)と感じることもありますが、逆に日本では想像できない新鮮な体験は忘れられません。この記事を書いているのは帰国してから1ヶ月経った頃ですが、今は「行ってよかったなぁ」という満足感があります。そして、イギリス国立鉄道博物館という分かりやすい目的地があったことで、今回の乗り鉄旅行ができたのかなぁ…とも思います。

 間違っている情報もあったかもしれませんが、みなさんもぜひ一度はイギリス国立鉄道博物館に行ってみてはいかがでしょうか?

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